モコ(mg21s)(後期型)の足回りを車検前に一度見ておこうと思って点検しました。
「ディスクローター」は一度も交換してないはずなので交換してもいいかな程度のノリ交換します。
(実際にはまだまだ使えますが今回交換しておけばオーナーでいる間は心配する必要もないだろうと・・)
「ブレーキパッド」が片減りしていたので、念のため「キャリパー」も一式点検してみることに・・
あとは「ドラムブレーキ」の「シュー」でしょうか。(こちらは時期的に最初から交換予定でした)
まずは大雑把な説明から・・
「ディスクローター」はDIXCELの「HDタイプ」を使用します。
特徴は事前に「焼き付け加工」が施されているので熱に強く歪みやクラックが発生し難くなります。そんな事気にする必要あるの?という方は運転直後の車の「ローター」を指で触ってみて下さい。
「ローター」と「パッド」は完全に分離している訳ではなく、若干ですが常に接しているのです。
そのため「ローター」という部品は運転中かなりの摩擦熱が発生しているので普段から起伏のある道を走っていたり、ブレーキを踏む頻度が多いと思う方は別にサーキットに通ってなくとも「焼き付け加工」されている「ローター」をお薦めします。
「ブレーキパッド」も同じDIXCELの「Mタイプ」を使用します。
「Mタイプ」は「ダスト」があまり出ないと説明にありましたが、普通に「純正パッド」以上の「ダスト」が発生しているので、これに関してはあまり期待しないで下さい。
ただ「純正パッド」は「ダスト」が少ない反面、ブレーキ性能が低いです。
DIXCELの「Mタイプ」はこの辺のバランスが良く出来ていて、そこそこの「ダスト」で抑えた上にブレーキ性能は「純正パッド」よりも少し上。そういう位置付けの「ブレーキパッド」に仕上がっています。
「ブレーキシュー」はMK樫山という一般的に多く使われているものをチョイスしました。
「シュー」は「カップ交換」の可能性もあるため、作業自体は楽なのですが「フルード」のエア抜きを行うとなった場合、ちょっと面倒になるので個人的な考えとしては車屋さんに持って行くのが正解と考えます。
ではここから詳しい説明に移りましょう。
こちらが「焼き付け加工」された「ディスクローター」なんですが、よく見て下さい。表面が茶色いですね?「焼き付け加工」されるとこんな色になります。カッコいいですね。
でも裏面を見ると半分位しか色が変わってないんです。あれ?どういう事なんでしょう。(車体に取り付けた時の写真があるので後ほど確認して下さい)
【追記】ただの防錆処理でしたねw「焼き付け加工」した後、外側に銀色の防錆塗装が施されているので外側の茶色部分が少なく見えたという落ちです。
以降はある程度車を自分で整備している人向けの内容になるのでご容赦を!
ジャッキアップしてタイヤを外すとこんな感じになります。(今回は4輪とも浮かせました)(最初の写真のやつですね)
ここから「キャリパー」を上方向に移動させて・・
ちなみに「キャリパー」を起こすのに使用した工具はこの2つのレンチともう1つ上の写真に見えるS字フックだけです。
「ローター」は簡単に外れない時もあるそうですが、うちのモコはいとも簡単に外れました・・(全然外れない時は「M8」のボルトを「ローター」にある2つの穴に入れて回せば外れます)(一応下に広告載せました)
そしてこちらが新しいDIXCELの「ローター」です。(パッドも新品に換わってますが気にしないでw)
これでタイヤを戻せば「ディスクローター」だけなら作業終了ですね。
問題が発生!上の写真をよく見ると「パッド」にDIXCELと印刷された黒い「シム」が装着されています。
これがまずかった・・・
5㌔走ったらギャリギャリと音がして慌てて駐車場に戻ってタイヤを外してみると・・(この写真は翌日に撮ったもので夜の間に雨が降ってました)見事に外側「シム」の下の足で「ローター」が削れちゃってます。
しかも新品なのに翌日から錆び錆びとか残念過ぎる・・
見ての通り「ローター」のサイズは全く変わりません。(つまり「ローター」に罪は無し!)
というわけで外側の「シム」は絶対に外してから使うように注意しましょう。(内側は付けて大丈夫です)
説明書には純正品の「シム」は使わずに付属しているものを使って下さいと書かれていますが、絶対に外側の「シム」は外してから「キャリパー」へ装着しましょう。
(もうね、クレームつけてDIXCELに返品してやろうかと思いましたよ・・)
気を取り直して「ブレーキパッド」の説明ですが、上記の通りまずは「シム」を全部外してしまうか、内側の「シム」だけを使うようにして下さい。(説明書を信用してはいけません!)
さて・・ここで「キャリパー」を簡易的に分解清掃します。
写真の工具を説明すると・・キャリパーを吊り下げる時に使う「S字フック」フルードを吸い取るための「注射器」それとピストンを押し戻すのに便利な「ブレーキセパレーター」(「M8ボルト」はキャリパーの分解には関係ないですね)
こちらの「細い注射器」は「ピストン」に付いている「ダストブーツ」の内側へ「ラバーグリス」を塗布するのに必要です。(隙間があまりないのと出来る限り奥へ塗布したいという理由で、このような道具を使います)
上で説明してますがこちらがその「ラバーグリス」です。左のグリスはシリンダーピンの内部に使う「シリコングリス」になります。
これは足回り用のパーツクリーナーみたいなものですね。「ブレーキクリーナー」
では実際の作業ですがジャッキアップしてタイヤを外したらボンネットを開けてフルードが入っている場所を確認して下さい。
普通は丁度MAXの位置までフルードが入っていると思います。今回「パッド交換」もしますのでキャリパーを持ち上げるのに「ピストン」を押し戻さないといけません。
そうするとフルードが押し戻されて溢れてくるのでタオルやウエスを使ってエンジン内部にフルードが零れないようにして下さい。
次に注射器でフルードを吸い取ります。(吸い取り過ぎると後でエアーが混入するので注意しましょう)
まぁフルードは少し注射器で吸い取って「ブレーキセパレーター」で少し押し戻し、フルード量確認を繰り返せば失敗はしないと思います。
こんな感じでピストンを押し戻すとフルード量が上昇します。
キャリパーが外れる様になったら片側のボルトだけを外し「S字フック」で吊るしておきましょう。気を付けるのはフルードのホースにあまりストレスがかからないようにする事です。
ここまで出来たら「キャリパーピン」を外して「ピン」と「ブーツ」の清掃を行います。「キャリパーピン」はウエスで拭くだけで簡単に綺麗になり「ブーツ」は内部の「グリス」を拭きとって外側は付着したダストや埃を綺麗に除去した後に「ラバーグリス」を薄っすら染み込ませればおkです。そして「ブーツ」の内側には「シリコングリス」を適量塗布して下さい。
シリンダーピンが収まっていた場所には古い「シリコングリス」が残っているので拭き取りましょう。私は綿棒を使って徹底的に除去しました。綺麗になったら新しい「シリコングリス」を注入して下さい。
「グリス」が注入されたら「ブーツ」をセット「シリンダーピン」を何度も抜き差して空気を押し出します。
最後に「ブーツ」がちゃんと奥まで被さっているか目で見て確認して下さい。
次に「ピストン」です。「ダストブーツ」が装着されているのが見えると思います。
この「ダストブーツ」を指で引っ張り「注射器」の先を奥に突っ込んで「ラバーグリス」を注入します。
これをやる事で「ピストン」奥に付いている「Oリング」が痛まないようになります。ただ、作業中に「注射器」の針で「ダストブーツ」を破いてしまうなんて事がないよう細心の注意を払って作業して下さい。
一連の作業が終了したら「キャリパー」を元の状態に戻し、運転席でブレーキを軽めに何度か踏んでみます。これも「フルード量」を確認しながら「ブレーキ踏む」「フルード量確認」を繰り返して下さい。今度はフルードが減ってくるのでまめに「注射器」から「フルード」を戻してエアーが入らないように注意です。
(「パッド」が新品に換わると「フルード」は増えるため新しい「フルード」を用意する必要はありません)
タイヤを戻し、ジャッキを撤去すればとりあえず完成です。ちなみにモコ(mg21s)のホイールナットのトルクは85N.mになります。くれぐれも締め付け過ぎには注意して下さい。(ナットやボルトを痛めます)
(後日100㌔ほど走行したらもう一度ホイールナットのトルクをチェックしましょう)(忘れずに!)
【追記】「ブレーキパッド」を交換した朝護の運転はブレーキの効きが甘い可能性があるので道路に出る前に何度もブレーキを踏んで確認です!
▲同じものが「ブレーキパッド」に入っています。足りないと思う方はどうぞ。
▲基本的に必要ありません。スプレータイプが良い人はこちらをどうぞ。