はい、動画鑑賞2回目の作品は皆さんご存知「うる星やつら」で視聴率男の異名を持つ押井守監督の1995年作品「攻殻機動隊」の紹介になります。
前回の「AKIRA」そして今回の「攻殻機動隊」(GHOST IN THE SHELL)は私の中のSS級ハイクオリティアニメとして後世に語り継ぎたい名作品です。
1988年に公開された大友克洋監督の「AKIRA」で日本のハイクオリティアニメが世界的に認識されました。
それから7年・・
そのクオリティに匹敵するんじゃないかと言うくらい前評判の高かった作品が「攻殻機動隊」です。
実は押井監督の劇場作品として「攻殻機動隊」の前に作られた「機動警察パトレイバー2 The Movie」のクオリティが非常に高く、おそらくですが、その作品で手ごたえを感じた押井チーム(Production I.G)が自分達の持てる全てを注ぎ込んで作ったのが「攻殻機動隊」ではないかと考えます。
その「パトレイバー劇場版」1作目と2作目でファンの評価が大きく分かれているのを知ってますか?
1作目の劇場版は脚本の出来が素晴らしく、TV版と同じ作画という事もあってTV版からのファンは概ね1作目を支持しているようです。
劇場版2作目はほぼ「攻殻機動隊」の作画に変わっており、見応えのある高い作画クオリティに魅了されてファンになった人達が支持しているのでしょう。
(私も高い画力に感心してファンになった1人です)(もちろん2作目の脚本も素晴らしい出来でしたが、ちょっと内容が難しかったかも知れません・・)
話が脱線しましたねw
「攻殻機動隊」は1996年の全米ビルボード誌ビデオチャートで週間1位を獲得するなど国外でも超が付く人気作品です。
ハリウッドの有名監督で言うとスピルバーグが実写化の権利を自身のドリームワークスで獲得するほど入れ込んでいるし、キャメロンも大ファンだとよく言っていました。
日本では言う人が少ないけど「マトリックス」なんかは明らかに「攻殻機動隊」をまんま実写にしたような映画だったしね。(私は劇場に3回行った!)
同じ映画を見るために何度も繰り返し映画館へ足を運んだのは後にも先にも「マトリックス」だけです。
実際「マトリックス」の監督であるウォウシャウスキー姉妹は「攻殻機動隊」の実写を作りたいんだ!とジョエル・シルバーに力説していたらしい・・
まぁ「マトリックス」に関しては正直パクリとかそういう次元の低い話ではなく「よくぞ作ってくれた!」と言うのがファンの総意でしょう。
だって実写版の「攻殻機動隊」よりも「マトリックス」の方が押井作品の「攻殻機動隊」に近いでしょ?
私も「実写版」より「マトリックス」の方が好きだしねw(「実写版」は「アニメ版」や「マトリックス」のようなクールなカッコよさが表現されてない気がする・・)
この時代の日本産ハイクオリティアニメってキャラクターが日本人にしか描けない若者向けのクールなカッコ良さがありますね。今後記事にする予定の「PERFECT BLUE」もそうなんだけど「攻殻機動隊」の中にもキャラクター原案に江口寿史の名前があるんですよ。
もうね・・この男が原案すると本当に一般受けする魅力的なキャラクターに生まれ変わります。
日本のアニメ監督はもっと江口寿史に声をかけるべき!(「ストップ!ひばりくん!」の作者)
じゃそろそろ一番上の写真にある「Blu-ray」の話をしましょう。
これは4Kの「Blu-ray」ではなく初期版の2Kの「Blu-ray」になります。
どうも後から追加された「2.0」や「4K」の「攻殻機動隊」は色々と手が加えられているため、95年の「オリジナル版」を熱狂的に支持している層にはこちらの方がお薦めです。
注意するべき点として、この「Blu-ray」に収録されている音声はリニアPCMだけなので最近の劇場版音声と比べた場合、大人しい感じに聞こえるかも知れません。
音声繋がりで話を続けると「攻殻機動隊」にキャスティングされている声優さんって脇役に至るまで全てがめちゃめちゃ上手ですよね。この人微妙だなぁなんて思う声優さん人は1人もいない。
宮崎駿監督の場合は逆にそういうわざとらしい声優語りを嫌って素人さんをよく起用しますが、この作品を鑑賞してしまうとやはり声優さんは超一流がベストだと再確認してしまいますね。
あと特筆すべき点としては作画クオリティが尋常ではないです。
今見ても色あせるどころか、このクオリティと肩を並べられる作画の作品がいくつあるか・・(エヴァくらいか・・)(鬼滅も良い線いっているが基本的にはTV版延長上の作画)
それに今までこういうのは無かったのですが「攻殻機動隊」は町中の背景に多くの看板を入れています。面白いのはその看板に多くの文字が入っていて背景の情報量を格段に引き上げているところです。
ゆっくりパンする背景に写る無数の文字、嫌でも目で追ってしまいますw
そして演出・・冗談抜きでここだけは未だに頂点から降りてない気がします。まだCGでの加工すら一般的でない時代にこれほど効果的な加工技術を保有していたのだから驚く他ありません。
この時代に関しては唯一無二の加工技術、そしてこの作品を目標にあらゆるCG技術が発展しましたが並ぶ作品は無いでしょう。
押井守監督が当時言っていましたがアニメにCGを使うのであれば部分的に使うのではなく、最初から全てのデータをデジタルに変換してから作るべきだと・・
思うのですがアナログとデジタルの不完全な融合であるからこそ、これほどまでに効果的かつ魅力的な演出に仕上がっているのではないかと。
最後になりますが幼女に収まった少佐の姿が現れるシーンの演出は特にそう感じました。(私がもっとも気に入っている「攻殻機動隊」のシーンです)
そして皆さん知っていましたか?
その幼女バージョンの少佐の声を当てているのが「化物語」で有名なキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード役の坂本真綾さんなんです。
この頃からこんな大作に出演していたとは・・
しかも少佐がもう少し大きくなってからの作品「ARISE」でも少佐役を演じているのが興味深いですね。
実は今回購入したBlu-rayディスク以前はDVDでこの作品を堪能していまして、こちらも同じくで5.1chには非対応の音声が収録されています。
パッケージはなんとLDサイズという大胆な大きさですw(厚みはLDよりも大きくて、どーんと「18㍉」あります)(だから置き場所に困るんだってw)
中身はこんな感じです。(初期の頃のDVDはみんなCDと同じサイズのコンパクトな入れ物って知らない人多いんじゃない?)
(昔で言うビデオテープの「ベータ」と「VHS」みたいなもんでしょうか・・)(え?違う?)
まぁ前回の「AKIRA」はジャパニメーションの原点ともいうべき存在、そして今回の「攻殻機動隊」は頂点に君臨する存在だと思うので、コアなアニメ好きであればコレクションしておいて損はしない傑作です。
ぜひ手元に置いて繰り返し鑑賞して頂きたいですね。
それと「攻殻機動隊」の「Blu-ray」はヘッドセットをロジクールの「G533」から「G PRO X」に変更して視聴しています。(こちらのヘッドセット比較記事も追ってやりますのでお待ちください)
今回はこんなところでしょうか。では次回までごきげんよう!
【注意】「WinDVDPro」をNVIDIA製グラフィックボードを使って動かす場合はドライバを「472.12」で止めておかないと(「496.13」以降はアウト!)ソフトが動かなくなるので気を付けて下さい。
▲「Blu-ray」再生ソフトはこっちの方が圧倒的に良い!VGAドライバも新しいのが使える!